脳内のコレステロールと脳の機能に関する研究成果が報道されました。もともと、脳細胞の4割以上がコレステロールを原料としていることが知られており、この実験結果は、ある意味で、自然な結果だと思います。
コレステロール、脳に必須 伝達機能高める 実験で確認(朝日新聞) – goo ニュース
この報道をみて、「高コレステロール=頭に良い」と思った人は大間違いです。
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記事にも
ただし、体と脳のコレステロールは別々につくられており、血液中のコレステロール量が多ければ、脳の働きがいいというわけではないという。
とありますが、血中コレステロール量と脳細胞の機能が直接関係している訳ではなさそうです。
さらに付け加えますと、血中コレステロールが上昇するのは、コレステロールの代謝の異常によるものです。体内のコレステロールのバランスが崩れた状態と言えます。勿論、メタボリックシンドローム(代謝症候群)との関連が強く疑われています。と、いうよりも、メタボリックシンドローム(代謝症候群)の病態の一部と考えられている訳です。
多くの方が勘違いしていますが、コレステロールは体内で合成されるものであり、食品から摂取している割合は30%程度といわれています(ですが、摂取過剰の場合は別です)。コレステロール値の異常は、体内でのコレステロールの合成に何か問題が発生したからだと考えるべきです。
コレステロールの代謝の異常ですが、記事中に、
「アルツハイマー病の脳内では、コレステロールの合成異常がみられるという研究もあり、治療薬の開発に役立てたい」
や、
一方、コレステロールの合成を妨げる薬剤を入れると脳の情報伝達機能が抑制された。
との記述もあります。
メタボリックシンドローム(代謝症候群)と脳内コレステロールについては、関係がある訳ではなさそう(現時点)ですが、要注意かもしれません。
くれぐれも、「コレステロールは頭に良い」と短絡的に考えないで下さい。